近年の医療の発達は目まぐるしいものがあります。これまで救うことが困難であった小さな〝いのち〟が救われていきます。しかし、そうした子どもたちの中には、人工呼吸器や経管栄養等といった「医療的ケア」が必要となることが少なくありません。やがて、病院での治療を終え自宅に戻れば、これまでの病院での手厚いケアの大半は、当然ご家族(主に母親)に委ねられます。24時間365日絶え間なく続く生活の中で、ご家族への介護負担は大きくなっていきます。
私たちは、そうしたご家族の介護負担の軽減と、子どもたちの生きる姿が地域コミュニティに開かれ、地域で豊かに生きられるように、医療法人にのさかクリニックを母体とし「地域生活ケアセンター小さなたね」を、2011年4月に開所しました。年齢制限することなく、乳幼児から成人した方が日中過ごせるように、看護師や介護スタッフや保育士等が協働してサポート体制をとっています。また、在宅へのサポートとして、訪問看護ステーションや訪問介護事業所等と連携して、入浴介助や食事介助等の在宅支援も行っています。
この世に与えられた〝いのち〟、多くの人たちによって支えられる〝いのち〟、その一つ一つの〝いのち〟が地域コミュニティの中でより豊かに輝くため、私たちは伴走し続けていきたいと願っています。
地域生活ケアセンター小さなたね所長
二ノ坂 保喜