全力疾走、無我夢中で駆け抜けてきた9年半。
「ほんの少し先の未来」を見据えたサービスを。これからも信頼おける仲間とともにー。【地域生活ケアセンター小さなたね所長水野秀尚】
プロフィール

自身の子どもの障がいをきっかけに、障がいのあるなしに関わらず、地域で暮らす拠点をモットーとした「地域ケアセンター“小さなたね”」を2011年開設と同時に所長に就任。また最近では、「sharedhome はたけのいえ」という重度の障がいをもつ人だけで共同生活をおくるという新しい住まいの形もスタートさせている。

職場の自慢を教えてください

まず第一に、笑いが絶えずとてもにぎやかで職員の仲がよいところです。

利用者の方は、言葉を発することができない方がほとんどですが、
「もっとこんな風に工夫してみてはどうだろう?」
「子どもたちを笑顔にしたいから次はこんなイベント企画しようか!」
といった前向きで明るい声が現場からたくさんあがってきます。

どうしても「医療的ケア」が必須といえる現場ではありますが、
安心や安全ばかりに縛られていては、
利用者の方々の「経験」になかなか繋がりづらいところがあります。

その「経験」をどうやったら積み重ねることができるのか、
職員一人ひとりが共通の認識を持って考えて行動していると思います。

職員のエピソードをお願いします。

勤務歴が一番長いシブヤ(現在正職介護主任)は、
以前、特別支援学校の放課後預かり事業を立ち上げた時からの仲間です。

彼女も私と同じく障がいをもつお子さんを育てていた経験があって、
彼女と話をしているとお子さんのことを想起しながら、子どもたちと関わることができるのでは?
とそんな風に感じ取れたので、一緒に働いてみないかとお誘いしました。

シブヤの存在は、お子さんたちを預ける保護者の方たちにも大きな安心感を与えてくれるとだろうと思ったのです。

僕が彼女の働きぶりを見ていてすごく安心できるのは
仕事だからやっている という感じではなくて。

自分のライフワークのようにして取り組んでいるといったような、そういう姿勢にあると思います。

自分の働きを見出して、イキイキとしている彼女の姿をみると
一緒にやってきて良かったと心から思っています。

利用者の方々の「経験」を大切にしているのですね。

そうですね。「経験」をどう積み上げていくのか?は
障がいのあるなしに関わらず、同じ社会の中で生きていく人々にも
共通していえる大切な事柄だと思っています。

確かに、施設で過ごす中で利用者の方々の
命にかかわるようなことはきちんと守らなければいけないのですが
チャレンジしてみると、意外と大胆なこともできてしまいます。

関わりあったことがない方からみると、
重い障がいがあるからすごくスペシャルなケアをしなければならないとか
そんな構えのような気持ちが生まれるかもしれませんが・・
実際に接してみると簡単にその壁のような感覚は乗り越えられるのではないかと思います。

スタッフの中に、ヘルパーの資格こそお持ちでしたが
こういった施設で働くことが初めてで、最初はどうしたら・・
どう関わったら・・?と不安に思う方もいたのですが、

利用者の方と直接関わってみたら、全然違った・・と。

言葉を交わすことは難しくても、表情1つで気持ちを読み取ることができるようになった時、自分の関わりで少しでもニコっと笑いかけてもらえるなどの経験をした時にはとても嬉しい気持ちになったと話してくれました。

今後、どんな方を職場の仲間として迎えたいですか。

求人を出す際に、「医療的なケアがあります」と求人票に記入すると、どうしても大変そう。私にはできそうにない。と思われる方も多いようです。
実際に、車いすの乗せ方とか押し方とか知らないとダメですよね?なんてお問合せをいただくこともありますが、そんな技術的なことは正直、後から何とでもなります。(笑)

採用は、あくまでもその方の「人柄」を重視しています。
人としての「心」を大切にして生きてきた方であれば大丈夫です!ベテランスタッフたちのサポートがついているので、業界未経験の方であってもそこはご安心ください。

最近、芸大出身で学生時代に彫刻を学んでいましたという方が来られたのですが・・
アート的な感性をお持ちのとても面白い男性で。

アートのなにもないところから作り出す感じが、
我々の、取り組みと少し似ているなと感じていて。
そういった意味ではそんな感受性をお持ちの方は、とてもいいなと!
畑の違う人こそ、関わっていただくことで、福祉の世界にきっと良い味を出してくれると思っています。