全力疾走、無我夢中で駆け抜けてきた9年半。
「ほんの少し先の未来」を見据えたサービスを。
これからも信頼おける仲間とともにー。

地域生活ケアセンター小さなたね所長 
水野 英尚

小さなたねで勤務しているスタッフさんについて聞かせてください。

もっとも勤務が長い方で、開所時のスターティングメンバー、そして開所から1年後というまもない時期から勤務していただいています。
重い障がいをもつ方々が、地域で豊かな生活が送れるように・・
また日中介護を行うそのご家族の方の負担軽減を・・という思いから開所した施設ですが、スタッフに関していうと、実はここ5年くらい前から入ってきた方が多いです。
現在は、介護職の 正社員 が5名、 相談支援員 1名 、登録ヘルパー 2名 看護師の正職員が4名、 パート3名 保育士パート 1名 という体制で職員を配置しています。

職場の雰囲気はいかがでしょうか。

どうしても「医療的ケア」が必須といえる現場ではありますが、
安心や安全を優先させなければ!にしばられていては
利用者の方々の「経験」になかなか繋がりづらいところがあります。
彼らの「経験」をどう積みあげていくかということを、スタッフ一人ひとりが大切に考える社風ですね。実際にうまくいかないことがあったとしても「もっとこんな風に工夫してみてはどうだろう?」「子どもたちを笑顔にしたいから次はこんなイベント企画しようか!」といった声が現場からたくさんあがってきます。笑いが絶えずとてもにぎやかで、スタッフの仲の良さも自慢の職場です。

現場での医療的なケアが大切なことも分かりますが、水野さん含めたスタッフの方々が同時に大切に思われていることは利用者の方々の「経験」なのですね?

そうですね。「経験」をどう積み上げていくのか?は
障がいのあるなしに関わらず、同じ社会の中で生きていく人々にも
共通していえる大切な事柄だと思っています。

確かに、施設で過ごす中で利用者の方々の
命にかかわるようなことはきちんと守らなければいけないのですが
チャレンジしてみると、意外と大胆なこともできてしまいます。

関わりあったことがない方からみると、
重い障がいがあるからすごくスペシャルなケアをしなければならないとか
そんな構えのような気持ちが生まれるかもしれませんが・・
実際に接してみると簡単にその壁のような感覚は乗り越えられるのではないかと思います。

スタッフの中に、ヘルパーの資格こそお持ちでしたが
こういった施設で働くことが初めてで、最初はどうしたら・・
どう関わったら・・?と不安に思う方もいたのですが、

利用者の方と直接関わってみたら、全然違った・・と。

言葉を交わすことは難しくても、表情1つで気持ちを読み取ることができるようになった時、自分の関わりで少しでもニコっと笑いかけてもらえるなどの経験をした時にはとても嬉しい気持ちになったと話してくれました。

素敵ですね。その経験を大切に考えるようになったきっかけとこの先の未来に向けて考える経験についてお聞かせください。

生まれながらの障がいを持つ自分の娘がベースになっていますね。
1番身近にいるということで、当事者家族としての感覚や困りごとも肌身で感じています。

今年で娘は27歳になりました。
1人の女性として考えれば、例えば1人暮らしをして就職をして、結婚をして・・
といったようなことを考えても良い年齢です。
そういった意味では、生まれながらの障がいでいつまでも親と一緒にいるということは、ある意味、籠の中に閉じ込められた鳥ではないですが、
ほぼ経験値が少ない生活を余技なくされていて。
確かに、籠は安全面を担保する上では仕方ないのですが、それでも「経験」をスモールステップで積み上げていくということは大切にしたいと思っています。

また、現在は「親元から離れていく」をテーマに
「はたけのいえ」という重い障がいをもつ人だけで共同生活をおくるという
新しい住まいの形をスタートしました。
昼間の預かりはできるけれど、帰ってからは親が見る・・という従来のスタイルも、では親亡き後にどうするか?を考えた時に、これは何とかしなければいけないなと。現在は、娘と20代の男の子2人で共同生活を送っていますが、来年4月からはもう2人メンバーを増やして4人暮らしを考えています。

実際にご活躍されているスタッフさんのエピソードをお願いします。

勤務歴が一番長いシブヤ(現在正職介護主任)は、
以前、特別支援学校の放課後預かり事業を立ち上げた時からの仲間です。

彼女も私と同じく障がいをもつお子さんを育てていた経験があって、
そのお子さんは既に亡くなられているのですが、彼女と話をしていると
お子さんのことを想起しながら、子どもたちと関わることができるのでは?
とそんな風に感じ取れたので、一緒に働いてみないかとお誘いしました。
子どもたちにももちろんその気持ちは伝わるでしょうし、
シブヤの存在は、お子さんたちを預ける保護者の方たちにも大きな安心感を与えてくれるとだろうと思ったのです。

僕が彼女の働きぶりを見ていてすごく安心できるのは
仕事だからやっている という感じではなくて。
自分のライフワークのようにして取り組んでいるといったような、そういう姿勢にあると思います。その安心感ゆえに厳しいことを言ったり、これまでもたくさん無理を言ってきたりもしているのですが(笑)自分の働きを見出して、イキイキとしている彼女の姿をみると
一緒にやってきて良かったと心から思っています。

人材確保も1つ大切な柱となると思いますが、どんな方を仲間として迎えたいですか?

求人を出す際に、「医療的なケアがあります」と求人票に記入すると、どうしても大変そう。私にはできそうにない。と思われる方も多いようです。
実際に、車いすの乗せ方とか押し方とか知らないとダメですよね?なんてお問合せをいただくこともありますが、そんな技術的なことは正直、後から何とでもなります。(笑)

採用は、あくまでもその方の「人柄」を重視しています。
人としての「心」を大切にして生きてきた方であれば大丈夫です!ベテランスタッフたちのサポートがついているので、業界未経験の方であってもそこはご安心ください。

最近、芸大出身で学生時代に彫刻を学んでいましたという方が来られたのですが・・
アート的な感性をお持ちのとても面白い男性で。

アートのなにもないところから作り出す感じが、
我々の、取り組みと少し似ているなと感じていて。
そういった意味ではそんな感受性をお持ちの方は、とてもいいなと!
畑の違う人こそ、関わっていただくことで、福祉の世界にきっと良い味を出してくれると思っています。

「職場の自慢」をぜひ教えてください。

利用者の方は、言葉を発することができない方がほとんどです。
障がいが重いからそうだと言われればそれまでの話かもしれませんが、

もし、自分が実際にこの境遇に置かれた時にどうだろうと考えて見た時、

あきらめではなくなんか逆に凛として生きているという、
自分の生をしっかりと受け止めていきているというそんな姿に感じられます。

そして我々スタッフは彼らのそんな姿をみて刺激されて、
自分の生き方を見つめなおしていく、そのようなところが自慢です。

福利厚生の面で工夫されていることはございますか?

主婦の方でしたらパートで時短勤務などの働き方も可能です。
過去にはお子さんをちいさなたねへ預けて、ご自分は現場で働かれていた方もいます。
また、正社員の方はこれまでになかなか休みをとりづらかったのですが、
ここ半年の大きな取り組みとして、毎週水曜日を定休日にしました!
これは大きな改革だったなと思います。
水曜日は必ず休めるということでスタッフみんなのモチベーションにつながっていくのではと考えています。

これから目指すこと、目標として掲げていることなどがありましたら教えてください。

10年前に私が始めた取り組みがだんだん周りでも浸透してきており、
現在は、重度の障がいをもつ子どもを預かってくれる環境が整ってきています。
ここ近辺だけでも2、3ヶ所施設が増えてきました。

小さなお子さんたちの通う場が増えてきたから安心だというわけでもなく、
課題はまだまだたくさんで、この場所を失くすわけにはいかないのですが
スタッフを育てていくということに加えて、
たねプラス(成人)の受け皿をどうやって作り上げていくかというのが当面の課題であり、我々の大きなチャレンジとなりそうです。
親御さんもどんどん高齢化していきますし、10年後にはまた成人をみる施設が増えてきているのではないのかとも考えています。
常に先駆け、先駆けの姿勢で、信頼のおけるメンバーたちと共に、模索しながら新たな道を切り開いていきたいです。